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【2023年08月22日】資産の譲渡代金が回収不能となった場合の所得計算の特例

[相談]

 私は、昨年末に、私が所有する自動車を友人が経営する会社に譲渡するという契約を締結し、その譲渡所得については所得税の確定申告を済ませています。 ところが、今年に入りその会社が倒産してしまったため、その譲渡代金が回収できなくなってしまいました。 このような場合、上記の回収できなくなった譲渡代金は、所得税法上どのように取り扱われるのでしょうか。教えてください。


[回答]

 ご相談の場合、その収入が発生した年分(昨年分)にさかのぼって、その収入がなかったものとみなされます。


[解説]

1.資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の所得計算の特例の概要

 所得税法上、その年分の各種所得の金額(事業所得の金額を除きます)の計算の基礎となる収入金額もしくは総収入金額(不動産所得又は山林所得を生ずべき事業から生じたものを除きます)の全部もしくは一部を回収することができないこととなった場合には、その各種所得の金額の合計額のうち、その回収することができないこととなった金額に対応する部分の金額は、その各種所得の金額の計算上、(その収入が発生した年分にさかのぼって)なかったものとみなすと定められています(※)。

※ 具体的には、次に掲げる金額のうちいずれか低い金額に達するまでの金額が、各種所得の金額の計算上、なかったものとみなされます。

① 回収不能額等が生じた時の直前において確定している、(その収入が発生した年分の)総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額

② ①の金額の計算の基礎とされる各種所得の金額のうちその回収不能額等に係るものから、その回収不能額等に相当する収入金額又は総収入金額がなかったものとした場合に計算されるその各種所得の金額を控除した残額

2.各種所得の金額に異動を生じた場合の更正の請求の特例

 上記1.の場合には、その事実が生じた日の翌日から2月以内に限り、税務署長に対し、「更正の請求」をすることができると定められています。

 更正の請求書が提出されると、税務署はその内容を検討し、納め過ぎの税金があると認められた場合には、その納めすぎとなっていた税金が還付されることになります。


[参考]所法64、152、所令180など


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。

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